平田レディースクリニック

■お知らせ■
■ クラミジア感染症について

 クラミジア感染症はクラミジア・トラコマーチスというウイルスと、細菌との間の大きさの病原体によって起こる感染症で、現在日本でも欧米でも、最も多い性行為感染 症です。クラミジア・トラコマーチスによる感染症としては一昔前までは、眼病の一 つである濾胞性結膜炎をトラコーマなどと呼んでいましたが、これがクラミジアに感 染した母親から生まれた赤ちゃんに起こる(母子感染、産道感染)ことが分かったのはつい最近のことなのです。  このクラミジア・トラコマーチスという病原体の検出ができるようになった今日、性行為感染症としてのクラミジア骨盤内感染症、クラミジア頚管炎などが診断できるようになり、調べてみると非常にたくさんの人が感染して おり、今に始まった新しい病気でないことが判明したのです。感染したときの症状は 男女とも特別の症状がないのが特徴で、男性の場合は 尿道炎(下着に分泌物が付着する)、女性の場合は子宮頚管炎が初期の病態(おりものがいつもより多くなる)です。ただし女性の場合は、病原体が精子と一緒に卵管や腹腔に運ば れるため、比較的早期に卵管炎や骨盤腹膜炎を発症することがあり、注意が必要です。 また、最近ではファッション・ヘルスなどの接客婦を中心として、オーラルセックスによる咽頭クラミジアが時々診られ、治療に難渋する事が報ぜられています。クラミジア感染が原因で婦人科を訪れてくる方の症状は、実にさまざまです。子宮 頚管炎では、オリモノが少し増える程度の症状しか認められません。しかし卵管炎に なると、下腹部痛や性交痛が出現し、炎症が慢性化すると卵管閉塞による不妊症の原 因となります。クラミジアによる卵管炎は腹痛を伴いますが、その程度は個人差が激しく、激しい腹痛を訴えて、救急車で運ばれる人もいれば、少し痛む程度で我慢できる程度の人まで、いろいろあり、きまった症状はありません。おりものの増加や性交後の出血など子宮の入り口付近の炎症がある場合には主としてクラミジア抗原の検査(DNA-PCR法)を行い、下腹部痛などの症状で、子宮付属器(卵管、卵巣) に炎症を疑った場合にはクラミジア抗体(IgA,IgG)の検査を行うのが通常です。したがって、DNA検査で陽性の 場合は、確実に菌の存在が証明されるため、必ず治療が必要となります。しかし女性 では、子宮頚管までしかアプローチできないため、抗原検査は子宮の入り口付近までで、 卵管炎や骨盤腹膜炎を起こしている時でも子宮の入り口を検査してもクラミジアは検出できるとはかぎりません。だから、血液中の抗体を検査するのですが、抗体検査では菌の存在をそのまま反映するものではないため、過去の感染でも陽性となってしまうことがあり、治療が必要か否か迷うこともあります。IgA抗体はクラミジアの活動を示す抗体で、IgA抗体が高く、腹痛などの症状がある場合には次に述べる薬で治療します。  治療法は、マクロライド系や ニューキノロン系といった種類の抗生物質を、通常1週間から2週間使用します。大事 なことは、性行為感染症であるために、必ずパートナーの検査をし、感染している場合は同時に治療してもらうことです。ただ、男性の場合は尿検査が主体で、この場合のクラミジアDNA の検出率は低く、男性の検査が陰性でもパートナー(女性)が陽性なら、両方とも治療をすべきです(ピンポン球感染の予防のため)。他の感染症と同様に早期発見、早期治療が大切であり、心当たりがあれば症状が少 なくても、病院を受診し検査を受けられることをお勧めいたします。


■ 単純ヘルペスについて

 性行為感染症にはクラミジア感染の他に単純ヘルペス(HSV-1,HSV-2)というウイルスの感染で起こる病気があります。陰部に小水疱ができ、最初はかゆみがある程度ですが、水疱が形成され、痛がゆくなり、水泡が破れるとびらんを形成し、排尿時にしみて強い痛みを伴う。、初感染の場合には、びらんや潰瘍が性器周辺に多数形成され、排尿時にひどく痛み(尿がしみる)、痛みの為に排尿もできなくなり、入院しなければならなくなる事もあります。このウイルスには口唇ヘルペス(単純ヘルペスI 型=HSV-I)と性器ヘルペス(単純ヘルペスII型=HSV-II)の2種類ありますが、性の多様化に伴い、 単純ヘルペスI 型による性器ヘルペスもかなりあります。人は社会生活をしているうちに知らず知らずに感染し、体に抗体を持っている事が多く、一度感染すると神経節に住みつき、からだの抵抗力が落ちた時(日焼け、過労、ストレス、かぜなど)に再発します(不完全免疫といいます)。若い人達にはこのウイルスに対する抗体がない人が多いので、パートナーが口唇ヘルペスを発症している事に気付かずにキッスやセックスなどで濃厚な身体の接触をすれば、口唇や、性器などのデリケートなところに発症する事が多いのです。新生児にこのウイルスを感染させるとひどい時は死亡させてしまいます。従って、上記の症状がある場合には、医師による治療(抗ウイルス薬の内服、点滴、軟膏塗布など)受けて下さい。また、その予防で注意する事は、口の周りなどにできた小さな水泡はいじらず(治りかけのかさぶたも自然にとれるまで触らない)、マスクをし、手を良く洗い、ひどい時には入浴を控え、ウイルスのついたタオル、下着などは煮沸消毒し、日光に当てて乾燥する事です。
  最近の研究では、単純ヘルペスに罹患していると、AIDS(HIV-1)に罹患しやすいことが分かり、AIDSの蔓延防止の観点からか、単純ヘルペスの再発を抑制する為に、抗ヘルペス剤の長期内服療法が保険で認められるようになりました。

■ 緊急避妊について

 【緊急避妊薬】として、認可された『 レボノルゲストレル錠 』を扱っています。ジェネリック薬品で、¥8,000税込と格安です。従来の「中用量ピルであるプラノバール錠」を内服するヤッペ法に比して、妊娠阻止率がかなり改善されています。ただし、薬価が高く(¥8,000)、どちらを使用するかは、各自の判断によるところが悩ましい点です。

詳しくは診療案内の 9 をご参照下さい。



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